胡桃の特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:walnut クルミ科クルミ属 落葉高木
オニグルミの原産地は日本ですが、南アメリカや北アメリカ、ヨーロッパなどにも広く分布しています。クルミの生産はアメリカのカリフォルニアが多く、中国やトルコでも盛んです。クルミはかたい殻を割って、中の果仁を食します。成熟した実は生でも食せますし、伝統的な和菓子屋、洋菓子やパン、料理などに使います。
【時期】
実が収穫できる時期は9月~10月頃です。
【歴史】
クルミは最古の木の実と言われ、紀元前7000年ころから食べられています。また、日本にはもともとオニグルミが自生していました。古書の本草和名には「久留実」として記されています。オニグルミは殻が硬く、仁も小さめでしたが、江戸時代に中国からテウチグルミとペルシャクルミが伝わり、栽培され、手で割って食せるクルミが出回るようになりました。その後、品種改良などで国内でも多く栽培され、料理のクルミ和えや和菓子などに利用しています。また、カリフォルニアなどからの輸入物も多く出回り、製菓製パンや酒の肴などに利用しています。
【選び方】
殻付きのものは形が良く、持った時に重さを感じるものを選びましょう。殻がないものは酸化しやすいので、なるべく新鮮なものを選びましょう。
【保存方法】
密閉容器にいれて、冷蔵庫で保存します。長期保存する場合は冷凍庫で保存しましょう。食べる時はオーブンを150℃で15分ほど空焼きすると、カリカリとして美味しくたべられます。
【栄養素】
クルミは果実の中では特に脂質が多く、特に不飽和脂肪酸であるリノール酸の割合がとても高いです。また、ミネラルのカルシウム、リン、鉄、ビタミンB1が多く含まれています。ビタミンB1は100gに0.26㎎含まれます。
【不飽和脂肪酸】コレステロールの増加を防いだり、腸の働きを良くしたりします。
【αリノレン酸】体内でEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)に変換されて、血圧を下げたり、皮膚の保護をしたりします。
【カルシウム】ミネラルの一種です。骨や歯の生成に関わるほか、神経伝達にも関わっています。
【ビタミンB1】糖の代謝を助け、脳へ栄養を送る機能を正常に保つ働きをします。
【薬効】
クルミは生薬名を「胡桃肉(ことうにく)」と呼びます。腎臓の衰えからくる腰痛や、むくみ、冷え、空咳や乾燥性の便秘などにも効果的です。中国の歴史に名高い西太后后も好んで食べていたという逸話があります。
【種類】
国内で生産しているクルミは、戦後長野県を中心に品種改良されました。ペルシャグルミ、テウチグルミ、オニグルミなどがあります。
【ペルシャグルミ】アメリカ軽油で渡来した品種です。大きなクルミで果仁の割合が49%と高く品質が良好です。
【信鈴】信州大学の農場で作った品種です。大きく果仁も50%と大きめです。収穫時期は10月中旬です。
【テウチグルミ】カシぐるみと呼ぶクルミです。ペルシャグルミの変種で中国から伝わりました。殻が薄くて果実が大きい品種です。
【オニグルミ】日本の野山に自生する品種で小さめで硬く収穫時期が10月上旬です。