カシスの栄養素・特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:cassis ユキノシタ科スグリ族フサスグリ亜種 落葉低木
原産地はニュージーランドと北欧とカナダと日本です。黒に近い濃紫色で直径1cmほどの丸い果実です。甘酸っぱくて香りがよいので完熟すれば生食もできますが、ほとんどジュースやお酒、ジャム、製菓などに加工します。暑さに弱く夏涼しいところで良く育つ性質があるため、北ヨーロッパやポーランドに多く、日本では青森で多く栽培しています。
【時期】
収穫時期は7月中旬~8月上旬ころです。
【歴史】
カシスは古代からヨーロッパの山奥に自生しています。日本には1868(明治元)年にドイツから伝わりましたが、生食には向かない上、当時は加工技術が乏しかったために寒冷地の庭先果実として栽培されるだけでした。ですが、カシスのアントシアニン色素が注目されるようになり、青森県を中心に全国各地で栽培が行われています。
【選び方】
果皮に艶があり丸くて、濃い紫色をしているものを選びましょう。薄緑色のものは未熟で酸っぱいので避けましょう。
【保存方法】
すぐに使わない場合は袋に入れて、冷蔵庫で保存しますが、長期保存する場合は冷凍庫で保存できます。凍ったままトッピングして利用したり、ジャムに加工したりします。
【栄養素】
ビタミンCとビタミンBやE、カルシウムなどのミネラルも含まれています。カシスには、注目されているアントシアニンというポリフェノールがあり、その含有量は果物の中でも最も多いです。
【ビタミンC】カシスはオレンジの3倍のビタミンCがあり、風邪の予防や疲労回復、肌荒れなどに効果があります。
【クエン酸】酸味の強いクエン酸は疲労回復や血液をきれいにする働きがあります。
【アントシアニン】ポリフェノールの一種で抗酸化物質といわれています。目の機能を高め、眼精疲労を改善する効果があります。
【薬効】
フランスでは1712年にモンタラン神父が若返りの媚薬と著書に書き記しています。その後、カシスは薬用として栽培され、葉を乾燥させたものはリウマチに良いと言われ、今でも生薬として売られています。
【種類】
カシスにはブラックラカントの他に種類と色の違うレッドラカントやホワイトラカントがあります。
【ブラックラカント】フランス語ではカシスと呼ばれ、英語圏では主にブラックラカントと呼ばれています。カシスといえばこのブラックラカントのことです。
【レッドラカント】5㎜~1㎜程の球状の赤い実が蔓状の軸に房状に実ります。ヨーロッパでは古くから食している果物です。初夏から夏にかけて収穫します。生では酸味が強く加工してジャムや果実酒に利用します。疲労回復の効果があります。
【ホワイトラカント】レッドラカントと同じくヨーロッパ原産でレッドラカントの白実種です。レッドラカントよりも酸味が弱いので生食できますが、ジャムや果実酒に利用することも多いです。