いちごの特徴・保存方法等

いちご イチゴ 苺

 

 

英語名:Strawberry バラ科オランダイチゴ属の多年草の一種

 

 

【特徴】

 

茎(ランナー)が地面に広がっていき、茎の途中から根をおろして新しい株をつくって増えていきます。

ヨーロッパでは、5000年ほども前からランナーで森や野原に増えていった野生のイチゴが食べられていたといいます。

作物としてのイチゴは、今から約250年前に、アメリカに自生していた2種類の野生イチゴをオランダに運んで改良してつくった品種がもとになっていると言われています。

日本には、江戸時代の終わりごろにオランダから長崎に伝わり、オランダイチゴと呼ばれていたそうです。

その後、明治時代に入り農業が近代化されるにつれて本格的に栽培されていきます。

品種改良を重ね、ハウス栽培が発展したこともあり、今では日本のイチゴの栽培技術は世界のトップクラスとなっています。

生でたべるイチゴの量は世界一と言われています。

 

●イチゴができるまで

イチゴは夏になえづくりを行い、秋に植え付けを行います。
翌年の春になり、菜の花が咲くころになると、茎が伸びてイチゴの白くかわいらしい花も咲きます。
大きなおいしいイチゴができるよう、ハウスの中にみつばちを放します。
花が散ったあとに実ができると、最初は小さく緑色の若い実がつきますが、だんだんと赤く色づいていきます。
そして熟した実は重くなって垂れ下がり、真っ赤に育ちます。
夏になると、茎をさかんに伸ばして子どもの株をつくります。

 

●イチゴは野菜?

学術的には、草に実るものは野菜、木に実るものは果物に分類されます。
草に実るイチゴは、野菜です。
農林水産省の作物統計調査でも、野菜に分類されています。
けれども、野菜のように草なのですが、果物のように食べられているので、
果物のような野菜(果実的野菜)とも呼ばれています。

 

●イチゴの種はどこにある?

イチゴの実のまわりには、ツブツブした種があります。
このひとつひとつのツブツブが果実で、その中に種が入っています。
イチゴが育ち、ふくらんで実になる部分は、花を支えている「花床」というところです。
そこが大きくなり、まわりに種をつけます。
私たちが食べているイチゴの実は、この部分で、偽果(ぎか)です。
ひとつぶのイチゴは、実際には何百もの果実が集まった「集合果」なのです。

 

●イチゴの高設栽培

イチゴ農園では、畑に地植えをして収穫する土耕栽培のほかに、高設栽培を採用している農園も年々増えてきました。
高設栽培とは、腰より上の高さにイチゴを植え付ける台をつくり、培地で栽培する方法です。
イチゴは株の背が高くならないので、土耕栽培では、イチゴの実がなると地面についてしまいます。
熟して柔らかくなった実は、カビが生えたりいたみやすいので、土にふれないように、わらやシートをしいてカバーをします。

一方、高設栽培ではそのような心配もありません。
実ったイチゴは上から垂れ下がって育ちます。

イチゴのなえを植え付ける際も、腰をかがめて農作業をすることはとても大変です。
高設栽培では立ったまま作業ができるため、収穫時の負担も軽減され、作業者に優しい栽培方法となっています。
また、1月~4月頃まで、人気のレジャーのひとつにイチゴ狩りがありますが、イチゴ狩りのお客さんにとってもメリットがあります。
高設栽培では広い床面が確保されますので、車いすでの対応が可能な農園もありますし、ご高齢のかたや小さな子どももイチゴ狩りが楽しみやすい栽培方法となっています。

 

 

 

【収穫時期】

    

 

赤くて、甘くて少し酸っぱいイチゴは、とても人気の高い果物です。
露地栽培では初夏に実りますが、ハウス栽培では冬から半年以上も収穫することができます。
中では一年中温室栽培されているところもあります。
スーパーマーケットなどの店頭に並び始めるのは11月頃からで、翌4月~5月ころまでが旬の時期です。

 

 

【産地】

 

人気のあるイチゴは主に関東から九州で生産されています。
日の光をたっぷり浴びて暖かい環境を好みます。
主な産地は栃木県、福岡県、熊本県、次いで静岡県、長崎県となっています。福島県は17位です。
特に栃木県は日本のいちごの15%以上を生産しており、その量は昭和43年(1968年)以降、50年以上にもわたって1位を誇っています。

 

 

【品種】

日本には、約300種のイチゴの品種があると言われています。
世界中で食べられているイチゴですが、生食での消費量は日本が世界一と言われ、
世界で育てられている品種のうち、半分が日本のものだという説もあります。輸出量も年々増加しており、海外での人気も高まっています。
ここでは、品種改良も各地で行われている様々なイチゴの品種の中から、
主なものを取り上げその特徴を紹介していきます。

 

 

「とちおとめ」

東日本で最も多く食べられているイチゴです。
その名の通り、栃木県で育成された品種で、1996年に品種が登録されました。
つぶが大きくて酸味が少なく、その糖度は9~10%と高くなっています。
食味が良いためとても人気のある品種で、圧倒的な作付を誇っています。
果実は円錐形で大きく、硬めの食感で、輸送にも適した品種です。
旬の時期は12月~翌4月です。 

 

「あまおう」

「あかい・まるい・おいしい・うまい」の頭文字をとって「あまおう」と名づけられました。
「とよのか」に代わる日本一のイチゴを目指して約5年間研究されたのちにできたイチゴで、その生産地は福岡県に限定されておりブランド価値の高いイチゴです。
大きさは一般的なイチゴの約2倍。
切った断面も美しい赤色で、ジューシーな果汁が特徴です。
表皮は柔らかいですが、スーパーマーケットなど店頭に並ぶ時にはイチゴ同士が重ならないパックに詰められることが多いので、贈答用にも安心です。

旬の時期は11月~翌5月です。

「紅ほっぺ」

2002年に静岡県で誕生した品種です。

味にコクがあり甘味と酸味のバランスがよく、ほっぺたが落ちるほどおいしいことから「紅ほっぺ」とつけられました。

「章姫」と「さちのか」の品種のかけ合わせで、やわらかい果肉で傷つきやすい「章姫」のなめらかなコクと、果肉が硬くて日持ちがよく赤い「さちのか」の良いところを受け継いでいます。

旬の時期は12月中旬~翌5月中旬です。 

  

「ゆめのか」

皮に張りがあり、果肉もしっかりしています。
適度な酸味がある品種です。
旬の時期は11月中旬~翌5月です。

  

 

【歴史】

石器時代からヨーロッパやアジアの一帯で食べられていましたが、北アメリカの品種と南アメリカの品種を混ぜた形で栽培が始まったと言われています。

日本には江戸時代の終わりころ伝えられ、明治時代にフランスの品種が導入され、本格的な栽培が始まったと言われています。

 

【選び方】

 

摘み取られて農園から出荷されたイチゴは、選果場で光センサーに通されたり、選果場の職員によって目視でも厳しくチェックされます。
産直の場合、農家さんが熟練の目で選別をしています。
その後、基準を満たしたものが商品としてパック詰めされていきます。 

では、スーパーマーケットなどの店頭では、どのような点を見てイチゴを選んだらよいでしょうか。
新鮮なイチゴはヘタの緑色が鮮やかで、みずみずしく、ぴんとしています。
ヘタが反り返っているものは特においしい証拠です。
イチゴの果肉の表面を見て、張りがあり、ツヤのあるものを選びましょう。
イチゴの種のつぶがぎっしりと詰まっているものもおいしいイチゴです。

 

※農家さんより豆知識【甘いものは?】

ヘタのすぐ下の部分が細くなっていて、そこから膨らんでいるようなイチゴが甘くておいしいというのを農家さんより教えてもらいました。
何度も試してみたので、まちがいないと思います。
(ただし、これはとちおとめだけの話かもしれません)

 

【保存方法】

 

イチゴは追熟しないので、買ってきたらできるだけ早めに食べましょう。
生で食べる場合は、買ってきたイチゴをパックから出して、いたみがないかどうかをチェックしましょう。
乾燥を防ぐためにラップかポリエチレンの袋などに入れて、冷蔵庫で保管して下さい。
いちごは日持ちしないので、2~3日中には食べるようにします。
食べきれない時は、水で洗い水気をとってからヘタを取り冷凍庫で保存。
半解凍にしてイチゴミルクにすると美味しく食べられます。
ジャムにする場合は、水洗いした後にヘタを取り、水分も取り除いた後に冷凍保存するのがおすすめです。
冷凍すると、なめらかな仕上がりのジャムを作ることができます。

 

 

【栄養素】

【ビタミンC】

イチゴはビタミンCが豊富で、100グラムの中に62ミリグラムものビタミンCが含まれています。

一日に必要なビタミンCの量は50ミリグラムなので、イチゴを6つぶほど食べるだけで一日に必要な量を摂取するとができます。

酸っぱい果実の代表、レモンのビタミンCは100グラム当たりに100ミリグラムです。

レモンを同じくらい食べるのはとても大変ですが、イチゴなら手軽にビタミン補給をすることができると言えましょう。

ビタミンCは、熱に弱い栄養素です。

アメリカやヨーロッパでは、いちごはアイスクリームやジャムなどに加工されることが多いですが、日本では生食が多いです。

生で食べることで、豊富に含まれているビタミンCを損なうことなく取り入れることができます。

 

 

【葉酸】

イチゴには、ほうれん草の抽出物から発見された水溶性ビタミンB群の一種である葉酸も多く含まれています。

葉酸はビタミンB12とともに造血のビタミンと呼ばれ、赤血球の生成に関係があります。

また、妊娠初期時に葉酸が不足すると、胎児の神経管閉鎖障害の発生率が高くなると報告されています。

そのため妊娠を予定している女性に摂取が推奨されています。

その他生活習慣病の予防にも効果的な働きを示すことが報告されています。

 

 

 

 

【アントシアニン】

ポリフェノールの一種であるアントシアニン。

イチゴにも含まれている栄養です。

眼精疲労の予防や、目の機能を向上させる働きがあります。

網膜に存在する「ロドプシン」の再合成を助けたり、加齢により増える「黄斑変性症」の予防に役立つと言われています。

 

【ペクチン(食物繊維)】

果物に含まれる食物繊維のペクチンは、水溶性食物繊維です。

糖質の消化管での吸収を遅らせて、急激に血糖値が上がることを抑える働きがあります。

また、コレステロールの吸収を抑えたり、心疾患の発症リスクを低下させるといった作用があります。

 

 

 

 

【切り方】

 

イチゴは、ビタミンCが豊富に含まれています。

ヘタを切ってから洗うとせっかくのビタミンCが流れていってしまうので、ヘタを切る前に洗いましょう。

イチゴを小さく切るときには、イチゴの先端部とガクに近いところまでが均等に分かれるよう、縦に切ることがおすすめです。

なぜなら、イチゴは先端部から熟していくため、ヘタの部分よりも先端部が甘いからです。

 

【別の切り方】

逆に酸っぱいところと甘いところを二度おいしく食べる為には、ヘタの部分と先端の部分と分けて切ります。

これは私のオススメする切り方です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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