いちじくの特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:fig クワ科イチジク属 落葉高木
原産地 アラビア南部から地中海沿岸といわれています。
いちじくは漢字で「無花果」と書きます。花が咲かずに実がなるように見えますが、果実と思われている花軸が肥大化したもので、その中に詰まっている赤い粒が花です。
つまり、果物として花を食して独特の食感を楽しむということになります。
【収穫時期】
8月~10月頃です。
【歴史】
アラビア半島で発見された果物でその歴史は古く、新石器時代の古墳からもイチジクの遺跡が出土しています。
6000年前から栽培され、古代エジプトの壁画や旧約聖書にも数多く登場します。
ヨーロッパから中国へと伝わり、日本へは江戸時代に長崎へ運ばれました。
主に薬用として栽培していましたが、生産量の増加と共に食用として出回っています。
【選び方】
丸みがあり、付け根まで赤褐色に色付き、香りのよいものを選んで下さい。
表面に張りがあり、切り口に白い樹液が出ているものは新鮮で、先の方に裂け目が出始めているものは熟しています。
未熟なイチジクは胃を痛めます。
果皮がしなびていたり、キズが合ったり割れすぎているものは避けて下さい。
【保存方法】
傷みやすい果物なので早めに食べきりますが、保存する場合はビニール袋等に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。
すぐに食べられない場合はコンポートにしたり、ジャムにしたり、皮をむいてラップに包んだりして保存します。
【栄養素】
豊富な食物繊維とカリウム、鉄分、カルシウムなどのミネラルと、ビタミンB群、ビタミンC等のビタミン類が多く含まれています。
また、プロテアーゼというたんぱく質分解酵素を含んでいて、食後のデザートとして食せば消化が促進されます。
そして、女性ホルモンと同じような働きをする直持つエストロゲンが、イチジクの種子に含まれていると言われています。
【カリウム】
血圧を下げる効果や動脈硬化の予防に役立ちます。
【食物繊維】
果物の中ではトップクラスの食物繊維を含んでいます。
ペクチン等の水溶性食物繊維が多く、腸内環境を整え、便秘の解消等に役立ちます。
【生薬】
イチジクは中国では不老長寿の果物でした。
イチジクを煎じたものは、健胃整腸薬として利用する他、風邪の喉の痛みの緩和にも使われます。
イチジクの葉や茎等から出る白い樹液はイボ取りに聞くとも言われています。
【種類】
イチジクの品種には桝井ドーフィン、蓬莱柿、とよみつひめ、ビオレソリエス、スミルナ等、色や糖度の違いのある種類があります。
【桝井氏がアメリカより導入した品種】
日本で生産されている8割がこの種類です。
育てやすく比較的日持ちするので、全国的に栽培されています。
熟すと皮が赤褐色となり、中心が濃いピンク色で外が白い果肉で、甘み酸味ともほどよく、8月~10月頃に出回ります。
【在来種】
370年ほど前に中国から伝わった種類で、「日本いちじく」とも呼ばれています。
尻の部分が割れやすく日持ちがしないので、全国には出回りません。
【福岡県で栽培された品種】
果皮は赤紫色で果肉がジューシーです。
【フランス原産種】
黒っぽく見えるイチジクで果皮は深い紫色です。
避けにくいのが特徴ですが、流通量はあまり多くありません。
【トルコで生産種】
果皮が白い品種です。
イタリア原産の「カドタ」やカルフォルニアで生産されている「カルミナル」も白いイチジクでどれも乾燥イチジクや缶詰として出回っています。