杏子の特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:apricot バラ科アンズ属 落葉小高木
英語名はアプリコットで、アプリコットジャムは製菓の艶出しに使う事でよく知られています。
酸味が強く生で食すものは少なく、ジャム等の加工品が多い他、種は咳止め等の漢方薬として昔から利用されています。
杏仁豆腐の香りづけやあマレットというイタリアのリキュールが有名です。
原産地は中国北部の山岳地帯からネパールです。
【収穫時期】
6月~7月頃です。
【歴史】
中国では紀元前3000年頃から薬用として栽培していました。
中国からヨーロッパ、中東、アフリカへ伝わり、18世紀頃にアメリカへ渡り、カリフォルニアで多く栽培しています。
日本では18世紀の書物にカラモモという和名で薬用の杏仁を収穫するために栽培していた記述が残っています。
大正時代になって、本格的な栽培が始まり、種の利用だけではなく果実して食べるようになりました。
【選び方】
ふっくらとした丸くて果皮に張りがあって実が締まり十分に色がついているものを選んで下さい。
表面にキズがなく、香りが立っているものが良く、実がやわらかくなっているものは避けます。
【保存方法】
生のアンズは日持ちしないので、早めに食べるようにします。
保存する場合は、乾燥しないようにビニール袋へ入れて、冷蔵保存します。
皮を剥いて種を取り除いて、ミキサー等でピュレ状にして冷凍保存もできます。
【栄養素】
【βカロチン】
干しあんずは果物の中でもトップの含有量(5mg)です。
βカロチンはビタミンAとして働き、老化防止や視力の保持、抗酸化作用による脳梗塞・脳卒中の予防に効果的です。
【有機酸】
クエン酸、りんご酸等の有機酸が多く含まれ、胃腸の働きを良くするほか、殺菌作用等の効果があります。
【生薬】
アンズの種は杏仁と呼ばれ、中国では太古から喘息や咳止め等の漢方として利用しています。
これはアミグリダンという成分ですが、毒性があるので医療従事者の指導なく杏仁を食べるのはとても危険です。
また、アンズには体を温める効果もあり、あんず酒は冷え性改善に効果があります。
【種類】
【長野県千曲市で栽培の品種】
第一次世界大戦を記念して命名された品種です。酸味が強く加工用に栽培されています。
【長野県あんず園で栽培の品種】
昭和15年に発見された品種です。酸味が強く、シロップや砂糖漬け、ジャムに加工されています。
他に、日本では地域によって新潟大実、信州大実、山形3号、信山丸(しんざんまる)等があります。
【カナダ生まれの品種】
酸味が少なく甘みが強いので生食用として7月上旬から出回ります。
【アメリカ生まれの品種】
甘みが強い品種で7月中旬頃から出回ります。