カリンの特徴・保存方法等

 

【特徴】

英語名:chinese quince バラ科ボケ属 薬用高木樹

 

 

 

熟した果実は黄色く楕円形で表面はつるっとして、うぶ毛などはありません。カリンは熟しても硬くて渋いので生食には向きませんが、カリン酒や砂糖漬け、ジャムなどに加工して食します。カリンの香りはとてもかぐわしく、アロマテラピーとしても利用できます。原産地は中国ですが、鑑賞用として栽培することが多く、果実の一部は咳止めなどの薬用として利用しています。カリンとよく似た果物にマルメロがあります。見た目も香りも同じようですが、マルメロはカリンよりもやや球状で果皮に産毛があり生食できます。

 

【時期】

 

カリンが多く出回る時期は10月下旬から12月です。

 

 

【歴史】

 

カリンは中国浙江省が原産で9世紀頃から薬用といて用いていました。中国の古書「本草網目」にはカリンには咳止め、利尿作用、鎮痛作用があると記されています。日本に伝わったのは約1100年前頃で、弘法大師が唐から持ち帰ったのが始まりといわれています。カリンは全国的に庭木として栽培されています。また、加工品が多く、のど飴やジャムなどとして多く出回っています。


 

【選び方】

 

カリンは果皮にキズがなく、ツヤが良く、香りがよくて、黄色く色付いているものを選びましょう。

 

 

【保存方法】

 

カリンは追熟する果物です。市場に出回るものは未熟な緑色のものが多いので、数日室内に保管して追熟し、黄色く熟してから、食材や芳香剤として利用します。しっかり成熟すると黄色みが濃くなり香りが強くなって表面に油がふいてきます。香りを楽しみながら、室内に保存しましょう。

 

 

【栄養素】

 

カリンにはビタミンC、カリウム、リンゴ酸、クエン酸、タンニン、サポニン、アミグダリンなどが含まれています。果実の種に多く含まれるアミグリダンはアルコールに漬けたり、熱を加えたりすると加水分解してベンズアルデヒドに変化して咳止めの効果を発揮します。

 【ビタミンC】コラーゲンの働きを助け、美肌効果があります。抗酸化作用があり、風邪の予防に効果があります。

 【カリウム体内のナトリウムと水分バランスを保ち、高血圧を予防します。

  【リンゴ酸有機酸の一つで疲労回復に効果があります。

  【サポニン配糖体の一種で、抗酸化作用があり、血栓予防の効果があります。

 

 

【薬効】

 

カリンは昔から薬用として利用され、咳止め、鎮痛、疲労回復に効果があるといわれています。

 

 

【種類】

 

カリンは種類がなく、カリンの樹になる黄色い果実だけです。同じバラ科のマルメロととてもよく似ています。マルメロはイラン原産の生食できる果物です。見た目や効果など、カリンとマルメロはほとんど同じです。

【カリン】旬の季節は秋です。渋みが強いので、加工して砂糖漬けや果実酒にすると独特の香りが楽しめます。

マルメロ】西洋カリンとも呼びます。熟すると黄色くなり、香りが強くなります。生食には向かないので、果実酒やはちみつ漬けに利用します。カリンとよく似ていますが、マルメロの木の葉はギザギザがないので葉をみて判断しましょう。

 

 

 

コメントを残す