栗の特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:chestnut ブナ科クリ属 落葉樹
クリは大きく分けて4種類あり、「チュウゴクグリ」、「ヨーロッパグリ」、「アメリカグリ」、「ニホングリ」です。原産地は中国、北アメリカ、地中海沿岸、そして日本です。
【時期】
多く出回る時期は9月~10月頃です。
【歴史】
縄文時代の遺跡からも多くのクリが出土しています。平安時代には丹波地域で栽培されたといわれています。
【選び方】
果皮にツヤと張りがあり形が丸く、持った時にずっしりと重く、表面に傷や小さい穴のないものを選びましょう。古いクリは乾燥して軽く味と風味が悪くなっています。また、小さい穴から虫が入っていることが多いです。
【保存方法】
クリは日持ちせず、時間が経つと乾燥して実が収縮し味が落ちてしまうので、早めに食べきるようにしましょう。保存する場合は乾燥しないようにビニール袋に入れ、チルド室で保存します。クリは低温状態で甘みが増す性質があるので、一週間くらいは保存ができます。冷凍することもでき、食べる時はそのまま茹でます。
【栄養素】
クリにはビタミンB1とカリウム、ビタミンCが豊富で、渋皮にはタンニンが多く含まれています。
【ビタミンB1】疲労回復のビタミンと言われ、炭水化物からのエネルギー産生と皮膚や粘膜の健康維持を助けます。
【カリウム】体内のナトリウムの排出を促し、正常な血圧を保ちます。
【ビタミンC】皮膚や粘膜の健康維持を助け、抗酸化作用の効果があります。
【タンニン】ポリフェノールの一種で抗酸化力があり動脈硬化や生活習慣病予防に効果があります。
【薬効】
クリは中国で1500年ほど前に著された医学書「名医別録」には「主に気を益し、胃腸を厚くし、腎気(精気)を補い、飢えに耐える体力をつける」と書かれているそうです。また、昔から薬膳の食材として胃や脾の機能を高め、精気を補い、筋力を強めるといわれ、健康増進に用いられてきたそうです。
【種類】
世界には代表的な4種類があり、その地域によってたくさんの品種があります。
【ニホングリ】ニホンクリは野生のシバグリ(芝栗)を品種改良したもので、果実が大きく風味がよいですが、甘味がやや少なく渋皮がはがれにくい特徴があります。
【早生種】ニホングリの品種の一つで北海道と沖縄以外では日本全国で栽培されています。サイズは大きく果皮は淡褐色です。
【大阪府豊能郡能勢町原産の品種】ニホングリの品種の一つで早生種の代表品種です。実が大きく粉質で甘みが強く風味もよいのですが貯蔵には不向きです。
【チュウゴクグリ】チュウゴクグリは甘くて渋皮もむきやすく、果実が小さく虫の被害を受けやすいのが特徴で日本では栽培されていません。「天津甘栗」の原料となっています。
【ヨーロッパグリ】ヨーロッパグリは小ぶりで渋皮がむきやすいのが特徴です。
【アメリカグリ】アメリカグリは果実も樹も大きくて利用価値の高いものでしたが1900年頃に発生した「栗胴枯れ病」の被害でほぼ壊滅し、現在は一部の地域で栽培されています。