オリーブの特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:olive モクセイ科オリーブ属 常緑高木
原産地は地中海沿岸です。果実はオリーブオイルやピクルスとして利用します。渋みが強く生では食せないので加工品として出回ります。緑色の実が熟すにつれて黄色からオレンジ色になり熟すと黒くなります。熟した実から搾油した香りのよいオイルはエクストラバージンオリーブオイルといわれています。
【時期】
オリーブの旬は9月~10月です。
【歴史】
オリーブは8000年以上前から採取していました。紀元前3000年~2000年頃に栽培が始まり旧約聖書にもよく登場する世界最古のハーブです。ローマ時代にオリーブの栽培は大きく発展し、コロンブスと共にアメリカ大陸へ渡り、世界各地へ伝わりました。日本へは安土桃山時代にポルトガルの宣教師によって持ち込まれました。現在では国内の9割が香川県の小豆島で栽培しています。
【選び方】
オリーブの生の実は傷が付きやすく、傷みが早いので国内産のオリーブでもほとんどがオリーブオイルや塩漬けなどに加工して販売しています。生のものは、傷がなく香りが強いものを選びましょう。
【保存方法】
傷がつきやすいのでビニールに包んで常温で保存しますが注意が必要です。渋みが強く生のままでは食せないので、苛性ソーダや重曹などを使って渋みを抜いて塩漬けにしたり、ピクルスにしたりします。
【栄養素】
オリーブオイルが絞れるほど脂質が多いのが特徴です。他にはビタミンEが豊富で生活習慣病の予防に役立ちます。
【脂質】オリーブオイルの脂質の70%~80%はオレイン酸です。オレイン酸は胃酸の分泌を調整し、腸の働きを活性化して便秘を予防し、悪玉コレステロールを減少させる働きがあります。脂質は摂りすぎると肥満の原因になりますが、足りないと免疫力が低下したり、肌が乾燥しやすくなったりします。
【ビタミンE】抗酸化作用があり、動脈硬化の予防や貧血の予防効果があります。
【薬効】
オリーブは古代ギリシアでは不老長寿の薬として重宝しました。オレイン酸が多いので胃腸の働きがスムーズになり便秘の解消の解消に役立ちます。また、オリーブの葉は現在でもドイツで高血圧、利尿目的の医薬品として使用されています。
【種類】
オリーブの品種は世界では1000種類以上ありますが、日本では「ミッション」「マンザニロ」「ルッカ」「ネバディブランコ」の4種類が栽培されています。
【ミッション】一番多く栽培されていて、おもに塩漬けやオイルに利用します。
【マンザニロ】塩漬け用に利用します。
【ルッカ】油用に利用します。
【ネバディブランコ】オイル用ですが、授粉用の品種として植えられています。オリーブは品種が違う苗木が植えてあると授粉しやすい性質があり、品種の違う樹木を1割程度植栽すると果実の着果が安定します。