ネクタリンの特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:nectarine バラ科モモ属 落葉高木
桃の仲間で、果皮にうぶ毛がないものをネクタリンと呼びます。果皮が赤く果肉は黄色のものが多く甘みも酸味も桃より強くジューシーです。ギリシャ神話の美酒ネクターからネクタリンになったほど果汁は豊富で、生食はもちろん、ジュースにも適しています。果肉が種からはがれやすく食べやすい特徴があります。原産地はトルキスタン地方です。日本で栽培されている品種は桃よりも小さく果肉は赤いものや黄色いものがあります。
【時期】
多く出回る時期は8月~9月です。
【歴史】
ネクタリンは中央アジアのトルキスタン地方といわれ、6~7世紀ころ誕生し、日本へは中国から酸味のある無毛桃として伝わっています。明治時代に日本でも栽培が始まりましたが、現在生産量が多い甘みの強い品種は昭和40年代にアメリカから伝わった品種です。
【選び方】
ネクタリンは形がふっくらと丸く、甘い香りがして、果皮全体に赤みがあり、持って重みを感じるものを選びましょう。触ったときに硬いものは酸味が強く、追熟するとやわらかくなり、甘い香りがします。果皮に傷や変色のあるものは避けましょう。表面に縦にはいっている溝が浅いものが新鮮で、香りがでてきたら食べ頃です。
【保存方法】
ネクタリンは硬いものは常温で保存して追熟させます。乾燥しないように紙に包みビニール袋へいれておきましょう。やわらかくなり、甘い香りがするようになったら、冷蔵庫の野菜室で保存しますが、熟してからは2~3日ほどしか持たないので、なるべく早いうちに食べきりましょう。まだ、かたい未熟なネクタリンを野菜室に入れておいても追熟しますが時間がかかります。
【栄養素】
ネクタリンはアルカリ性食品でカリウムが多く、ビタミンCやビタミンAも豊富です。
【カリウム】エネルギーの代謝や筋肉神経などの正常に保つ働きをします。体内のナトリウムを排出し水分バランスを保つ効果があり、高血圧予防に効果があります。
【ビタミンC】免疫力を高め、皮膚や粘膜の健康維持に効果があります。
【ビタミンA】肌や皮膚の健康維持の他、視覚を正常に保つ効果があります。
【薬効】
リンゴ酸やクエン酸などが多いので、食欲増進に役立ちます。また、食物繊維が多いので、便秘の予防になるほか、水分が多いので、夏場の口渇を潤します。
【種類】
ネクタリンの主な品種は改良種です。
【アメリカで育成された品種】果汁が多く、甘みと酸味があり濃厚な風味です。果肉がしっかりしていて日持ちが良いほうです。
【長野県で誕生した品種】甘みと酸味のバランスがよく、果汁も多く食味がよく、晩生種なので9月中旬頃まで出回ります。
【白桃との改良種】アメリカで育成され1970年(昭和45年)に日本へ導入されました。香りがよく、甘味、酸味とも多めで、肉質はややかためですが果汁が多くなめらかです。