ハッサク・夏ミカン・ポンカン・イヨカンの特徴・保存方法
【特徴】
ムクロジ目ミカン科ミカン属 落葉小高木
原産地はインド東北部から中国南部にかけた地域で種類が多く、ブンタンと呼ばれる大きな黄色い柑橘から派生したハッサクや夏ミカンなどの品種や、インドのマンダリンから派生したポンカン、日本の山口県で発見され愛媛で栽培が始まったイヨカンなどがあります。
【時期】
柑橘類が多く出回るのは12月~5月までですが、輸入ものなども含めると年間を通して出回っています。
【歴史】
柑橘類は3000万年前からインド東北部に登場し、4200年前には中国で栽培が始まったという記録が残っているそうです。その後、アフリカやヨーロッパを経て、世界中に広まりました。日本では日本書紀にすでに登場していて、聖武天皇の時代に唐から伝わったといわれています。
【選び方】
果皮に張りがあって、色とツヤのよいものを選びましょう。持った時にずっしり重いものは実が詰まっていて果汁が多く、ヘタが緑色で張り付いている方が新鮮です。持って軽かったりヘタが枯れているものは避けましょう。また、果肉と果皮の間に隙間ができる浮き皮は、むきやすいですが傷みやすく味が落ちることがあります。
【保存方法】
暖房で直射日光を避けて、新聞紙などに包み風通しの良い冷暗所で保存します。品種や状態によりますが、5~10日は日持ちします。冷蔵庫の野菜室に保存する場合は紙に包んでからビニール袋などに入れ、乾燥しないようにします。箱で保存する場合は傷んでるものを取り除き、新聞紙などで個々の間をあけて保存します。
【栄養素】
ほとんどの柑橘類にはカリウムとビタミンCが豊富に含まれています。タンゼロやポンカンには、温州ミカンに多く含まれるβクリプキサンチンというカロテノイド色素を含んでいます。
【カリウム】ナトリウムの排出を促し、高血圧やむくみの解消の効果があります。
【ビタミンC】コラーゲンを合成して、皮膚、血管、粘膜、骨を強くします。白血球の働きを強化して、風邪や感染症の予防、抗ストレス作用などの効果があります。
【薬効】
柑橘の果皮を乾燥させた陳皮は健胃消化薬、鎮咳去痰薬とされ、漢方に配合されています。
【種類】
ハッサク、夏ミカン、ポンカン、イヨカンを始め多くの品種があります。
【ハッサク】江戸時代に広島で発見されました。ブンタンの雑種で甘味と酸味と少し苦みがあり、果肉はやや硬めで香り良く薄皮の皮離がよく食べやすいものが多いです。旧暦の八月から食べられるので、ハッサクと呼ばれるようになったと言われていますが、しっかり熟して美味しくなるのは、冬になってからです。
【夏ミカン】夏橙ともいわれるブンタンの雑種です。江戸時代に山口県で誕生しました。酸味が強くゼリーやマーマレードなどに加工されて出回っています。実がなるのは冬で熟すのは4月~6月頃です。
【ポンカン】マンダリンの代表品種でインド原産です。果皮がむきやすく、食べやすく、酸味が少なく甘みと風味が強いです。