クランベリーの特徴・保存方法等
【特徴】
英語名:cranberry ツツジ科スノキ属 ツルコケモモ亜属 常緑低木
果実は直径1cmほどの赤いサクランボのようで、酸味と渋みが強く生食ではほとんど食べられません。原産地は北米で、日本では生のものはあまり見かけませんが、北欧やアメリカやカナダでは身近な果物で感謝祭の七面鳥のグリルにはクランベリーソースが欠かさず添えられます。
【時期】
クランベリーの旬は9月から11月ごろとなります。
【歴史】
クランベリーは北欧や北アジアの高山の湿原に自生しています。アメリカの先住民がクランベリーを食料や染料、医薬品として利用していたころから始まり、19世紀には、アメリカで本格的に栽培され、加工製品が開発されました。20世紀には、クランベリーの成分解析が進められ、抗菌作用による尿路感染症や歯周病尚への効果が認められています。
【選び方】
クランベリーは色が濃くツヤがあって、粒の大きいものを選びます。赤い色や鮮やかなものもありますが、黒赤い色のクランベリーにも味の良いものが多いので、色は濃いものを選びましょう。生のクランベリーは冷凍のものが輸入されていますが、出回るのは少量です。酸味渋みを抑えるために果糖製法されたジャムやドライフルーツが主に出回っています。
【保存方法】
クランベリーは日持ちしません。すぐ使わない場合は乾燥しないように袋やパックに入れて冷蔵庫に入れて保存し、長期間保存する場合は一度さっと水で洗ってからよく水気を切り、バットなどに広げて冷凍すれば、半年くらいは保存できます。また、ピューレ状にしたものや砂糖を加え、ジャムにすると長期間保存できます。
【栄養素】
クランベリーはリンゴの6倍のビタミンCが含まれています。果物には珍しいカルシウムとポリフェノールのプロアントシアニジンとキナ酸、食物繊維も豊富です。
【ビタミンC】皮膚や粘膜の健康維持を助けるとともに、抗酸化作用があります。
【カルシウム】骨や歯の形成に必要とされています。
【プロアントシアニジン】色素となるポリフェノールの一種で、活性酸素抑制効果があり、眼精疲労の軽減に期待できます。
【キナ酸】キナ酸は体内で馬尿酸に変化し、尿を酸性に保ち、膀胱炎や尿路感染症を予防する効果があります。
【薬効】
北米では、女性が膀胱炎の予防に生薬としてクランベリーを常に摂取しています。クランベリーはアントシアニン、ケルセチン、プロアントシアニジンそしてビタミンCとキナ酸を含有しており、それらが相互作用して抗菌作用、特に膀胱炎や尿路感染症、尿路結石、胃潰瘍の予防効果がるといわれています。
【種類】
クランベリーにはツルコケモモ(蔓苔桃)、ヒメツルコケモモ(姫蔓苔桃)、オオミツルコケモモ(大実蔓苔桃)、アクシバ(灰汁柴)があります。
【ツルコケモモ】ツルコケモモは、北ヨーロッパ、北アジア、北アメリカ北部など寒冷地に自生しています。葉は5~10cmで、花は濃いピンク色で紫色の穂が付き、果実は小さく、薄いピンク色です。
【ヒメツルコケモモ】ヒメツルコケモモは、北ヨーロッパ、北アジアに分布していて、日本では、北海道や尾瀬ヶ原などの湿原にみられます。夏に花を咲かせ、果実は熟すと赤くなり、ツルコケモモよりも小さく見つけにくいものです。
【オオミツルコケモモ】オオミツルコケモモは、北アメリカの東部が原産です。湿地帯に生え、ほふく性があり樹高は2mほどです。酸味が強くジャムやドライフルーツに加工されます。
【アクシバ】樺太、北海道、東北地方、関東地方の北東部などに生育しています。樹高は1mほどです。8月頃には薄紫色の花が咲き果実は直径5㎜ほどで。赤く熟します。
葉は、厚く長楕円形をしています。6~8月頃に、枝先に薄いピンク色の花を咲かせます。果実は赤く熟します。酸味と渋みが強く、ジャムやジュースに加工されます。