生のフルーツとドライフルーツの違い

 



【栄養素が凝縮されている】

 

ドライフルーツの最大の利点は、その「かさ」にあります。
製造の過程で乾燥させることで、フルーツ内の水分をできるかぎり抑えているドライフルーツですが、果汁に含まれた栄養素がすべて蒸発しているわけではありません。
のこった果実に非常に濃厚な状態で濃縮されているのです。
このため、生のフルーツと比べると、ドライフルーツは1gあたりの含有カロリーが大変高いといえます。
果物のなかでも、比較的カロリーが高いと言われるバナナにおいても、生の状態では100gあたり86kcalほどです。
しかし、ドライフルーツは平均すると100gあたり200-300kcalと生の状態を大幅に上回るカロリーを含有しています。
一般的には国が定める基準により、一日の摂取カロリーと、一日の果物における摂取カロリーは決められています。
つまり、ドライフルーツはより少ない量で摂取エネルギーを満たすことが出来ます。

 

 

【フィトケミカルの存在】

 

 

ドライフルーツではより高いカロリーが摂取できることが分かりました。
ここで、エネルギーと一緒に栄養素も濃縮されているのであれば、大変効果的に健康になれることが分かります。
しかし一方で、多くのビタミン類はその構造の不安定さから加熱や乾燥によって簡単に分解してしまうことが知られています。
ドライフルーツに十分な健康に効果のある栄養は含まれているのか、もともとフルーツにはフィトケミカルとよばれる物質がたくさん含まれています。
これは、ビタミンや添加物とは異なり、より植物元来の機能に特化した成分と言えます。
例を挙げるなら、トマトの赤色素であるカロテンの一種「リコピン」やブルーベリーの紫色素である「アントシアニン」などが有名です。
その他、うまみ成分や代謝物質などもこれにあたります。
こうした栄養素はビタミンと異なり、比較的安定した構造の為、乾燥させた後も栄養素として濃縮され残在しています。
そして、このフィトケミカルに多くの抗酸化物質が含まれていることが近年の研究で明らかになりました。
抗酸化物質は、体内で酸素が結びついていわば「酸化」した物質であるフリーラジカルを防ぐ働きがあるといわれています。
フリーラジカルは体内の代謝を抑制する効果が高いことが研究で明らかになっており、これを防ぐ抗酸化物質はまさにアンチエイジングや健康を維持する上で重要な要素と呼べます。

ドライフルーツは、数多くの種類がありますが、どれも多くの栄養を含んでいることで有名な食べ物です。
具体的に、生のフルーツと比べた場合、どのように優れているのか、ドライフルーツが生のフルーツよりもいい理由について学びましたが、ドライフルーツが生よりも少ない量で、エネルギーと栄養素、両方を充実していることが良く分かります。
これらを、バランスよく解決してくれる食物というのは意外に少ないものです。
果物の種類によってはカロリーが高いものもありますので、やはり、過度に摂取するのは「過ぎたるは及ばざるが如し」ですが、分量を計算して効果的に食事に取り入れることで、よりダイエットや健康を実現する心強い味方になると言えます。