アーモンドの特徴・栄養素・保存方法等
アーモンド
特徴
almond バラ科サクラ属 落葉高木
桃や杏子、梅に近い植物ですが、桃や梅は果肉を食べるのに対し、アーモンドは果肉が薄い為果肉は食さず、その種の中に一つずつ入っている仁の部分を食す木の実。
原産地はアジア西南部・地中海沿岸。現在ではカリフォルニアが生産量のほとんどを占め、8月~9月にかけて収穫期となります。
アーモンドの実は自然には落下しないので、機械で木をゆすって一斉に落下させます。
その様子は「アーモンドシャワー」と呼ばれます。
歴史
アジア西南部が減産ですが、ローマ時代に地中海沿岸に伝わり、旧約聖書にも貴重な食物として登場します。
その後、料理やお菓子の材料としてヨーロッパ中に広がり、18世紀にスペインの宣教師によって世界最大のアーモンド産地カリフォルニアへ運ばれました。
選び方
生のアーモンドは手に入りにくいですが、製菓材料店等で入手できます。
酸化しやすいので、鮮度が良く、表面にキズがなく大粒のものを選んで下さい。
試食できる場合は旨味が濃いものが良いです。生で食してもいいですが、電子レンジやオーブンで加熱処理をすると香ばしくおいしくなります。
塩や油が添加されていないローストしたアーモンドは比較的入手が簡単です。
保存方法
生のアーモンドは酸化しやすいので、ラップとビニールで密閉して冷蔵庫で保存します。
保存期間は1ヵ月~3ヶ月。
しかし、酸化やカビ等が発生しやすいので、早めに食すようにして下さい。
主な栄養成分
【脂質】成分の5割が不飽和脂肪酸です。
常温でも液体状の脂肪で、中性脂肪やコレステロールになりにくいと言われています。
【ビタミンE】抗酸化力とアンチエイジング効果が期待されるビタミンEが豊富。
20~22粒で成人の一日に必要な摂取量を補えます。
【食物繊維】成分の一割が食物繊維で、そのうちの8割が不溶性食物繊維です。
腸内の有害物質を体外へ排出させる働きがあります。
薬効成分
アメリカの生化学者の研究発表により、ビターアーモンドの仁から抽出したレートリル(アミグダリン)がウイルスの増殖を抑制するといわれたことはありますが、
科学的根拠はなく、むしろ青酸中毒をおこす危険性があるので注意が必要です。
食用のスイートアーモンドにはアミグダリンは含まれていません。
種類
スイートアーモンドとビターアーモンドがあり、食用にされているのはスイートアーモンドです。
ビターアーモンドは青酸配糖体という猛毒を含んでいるので、医療関係者が専門の処理をしない限り口にはできませんが、
アーモンド独特の香りがあり、香り成分だけを抽出してエッセンス等に使われています。
アーモンドの種類は100種類以上あると言われていますが、食用の主なスイートアーモンドは以下の通りです。
【ノンパレル】カルフォルニア産の半分を占める代表品種で、形が偏平で粒がそろい、キズや割れが少ない。
【ビュート】小粒で丸形。
【モントレー】殻が硬く、細長い大粒アーモンドで、粒がそろっていないことが多い為、ペーストやプードル(粉末)に用いられることが多い。
【カーメル】風味がありノンパレルと収穫時期がずれている種。