スイカ(Watermelon)の特徴、産地、品種、保存法等

スイカ(西瓜)

ウリ科  一年草 Watermelon 

スイカはウリ科の一年草植物です。


アフリカに野生種があって、今でもアフリカの砂漠にはいろいろな野生のすいかが生えています。

古代エジプトでは、いまから4000年も前にスイカが栽培されたと言われており、当時のエジプトの壁画にはスイカ栽培の様子が描かれているそうです。

乾燥した地域では、スイカは飲用水の代わりになっていました。


その後エジプトから中央アジア、インド、中国へと伝わり、ヨーロッパへは地中海沿岸地方を通って広がっていきました。

スイカは「西瓜」と漢字で書くように、中国にはスイカが西域から伝わったことからつけられました。


日本には安土・桃山時代(16世紀後半)に、ポルトガル人によって長崎にかぼちゃの種と一緒に伝えられたことが最初だと言われています。

本格的に栽培されるようになったのは明治時代です。

その後、甘くておいしい品種が改良されて各地で栽培されています。


現在、日本で一般的に栽培されているスイカは黒と緑のしまもようの皮で、球形と楕円形のスイカですが、

黄色皮や黒皮、しまもようのない無地の皮、果肉が黄色のものなど、様々な種類があります。




スイカの旬の時期 

スイカは、アフリカが原産地なので強い光と高温が大好きで、寒さに弱く、初夏が旬の植物です。

スイカを川水で冷やしたり、夏祭りにはスイカ割りをしたりと、夏の風物詩としても昔から親しまれています。

気温が30度を超えると、スーパーマーケットではスイカが急に売れるようになります。

5月~8月頃まで、東京都の中央卸売市場の果実取扱量の中でスイカの取扱量が1位となります。


●スイカは果物のような野菜

学術的には、草に実るものは野菜、木に実るものは果物に分類されます。

草に実るスイカは、野菜です。農林水産省の作物統計調査でも、野菜に分類されています。

けれども、野菜のように草なのですが、果物のように食べられているので、果物のような野菜(果実的野菜)とも呼ばれています。


●7月27日はスイカの日

夏が旬のスイカの縦縞もようを綱にたとえ「7」、「27」を夏の綱と読む語呂合わせから、7月27日はスイカの日の記念日に定められました。

スイカといえば緑色に黒い縞模様を連想させられますが、このような品種が広まったのは昭和初期以降で、それまでは黒、無地皮だったそうです。


●スイカの季語は秋

スイカはこのように夏の季節を感じるのにぴったりな植物なのですが、実は俳句の世界では「西瓜」は秋の季語となります。

俳句でも多数詠まれているスイカの季語は、なぜ現代の感覚とずれているのでしょうか。

それは、俳句の季語は昔使われていた旧暦をもとに分けられているからです。

新歴とは約1か月の遅れがあります。7月は秋の始まりの月となっていることから、「西瓜」や「七夕」は秋の季語となるわけです。

ちなみに、「西瓜割(スイカ割り)」という季語は旧暦でも夏になります。



スイカの主な産地


スイカは日の光と暑さが大好きな植物です。


日本では南は九州~北は山形で栽培されています。

2017年の農林水産省作況調査では、1位が熊本県で4万4300トン、2位が千葉県で3万6100トン、3位が山形県で2万8200トンとなっています。

日本全体では33万トンものスイカが栽培されています。





スイカの主な品種と特徴


スイカといえば、大きくて丸く、緑色の皮に黒の縞模様があるものが一般的です。

また、果肉は赤く、中には黒い種がたくさん入っているものが思い浮かべられます。

けれども、最近では色々な種類のスイカが栽培されています。

大きさや形の違い(大玉種、中玉種、小玉種、正円型、ラグビーボール型、俵型)、果肉色の違い(赤肉、黄肉、白肉)、果皮の違い(縞模様、黄色、黒色)、種の有無などで分けることができます。

日本国内で育てられているスイカの種類は約20ほどあります。


ここでは、その中でも代表的なものを取り上げその特徴を見ていきましょう。


「大玉スイカ」

日本で最も流通されているスイカが「大玉スイカ」です。

「大玉スイカ」とは品種名ではなく、果実が大きなスイカをまとめた呼び名です。

大玉スイカの品種は、祭りばやし777、紅大、富士光、縞王系、甘泉などがありますが、スーパーマーケットなどの店頭では品種名で区別されることはまれで、「大玉スイカ」とひとくくりにまとめられて店頭に並ぶことがほとんどです。


5月~8月にかけて、スーパーマーケットなど店頭に並ぶスイカの大半が大玉スイカになります。

その重さは5kg~8kgで、中には10kgの大玉になるものもあります。

食味の特徴はそのシャリシャリとした食感です。


「小玉スイカ」

小玉スイカは、昭和30年代、一般の家庭で冷蔵庫が使われるようになったころ、冷蔵庫にもはいりやすいように小さく品種改良されて生まれたスイカです。


形は丸や楕円形のものがあり、縞模様は一般的には大玉スイカと同じように黒い縞で皮は緑色となっています。

一番の違いはその重さです。

大玉スイカが5kg~8kgなのに対し、小玉スイカは1.5kg~2kgとかわいらしいものになります。


旬の時期は4月~7月と、大玉スイカと比べて早生になります。


小玉スイカの主な産地は茨城県、群馬県、千葉県となっていますが、最近の人気から小玉スイカの生産量は年々増加しています。

生産地は北海道から九州と、全国に広がっています。

小玉スイカの中でも最近人気の品種「姫まくら」(左写真)は、ユニークな楕円形で皮は深い緑色をしており、縞模様はくっきりとした模様です。

他の小玉スイカに比べて、大玉のようなシャリシャリとした食感が強く、甘味豊かな品種です。

また、果皮がうすく、おいしく召し上がれる果肉部分が多いことが特徴です。


「黄肉スイカ」

はっと息をのむほど鮮やかな黄色のスイカ。

黄肉スイカ、あるいはクリームスイカと呼ばれるスイカです。


出荷量はとても少ない品種です。

味がうすいと言われることが多く、やさしい風味のものが主流です。

近年は赤肉スイカのようにコクのある黄肉スイカも出回るようになってきました。


大玉のほかに、小玉のものや、楕円のものもあります。

また、黄肉スイカの反対で、黄皮スイカといって果肉が赤く果皮が黄色の非常に珍しい品種もありますが、

栽培されている量は少なくなっています。


「種なしスイカ」

1940年代に日本で開発された品種です。


種なしスイカは作るのにとても手間がかかり、普通のスイカよりも弱く栽培しにくいことから、

日本ではあまり普及しませんでした。

また、種ありスイカと比較すると味がうすく、水っぽいという特徴がありました。


ところが、2013年に新しく「ブラックジャック」という種なしスイカが現れました。

この新品種は糖度が高くシャリシャリとした食感が特徴で、熊本県をはじめ、

千葉県や山形県などへ生産が広がっているそうで、注目されています。



スイカの栄養素


暑い夏、スイカを食べると疲れた体がしゃきっと元気になった経験はありませんか?


夏バテ解消や疲労回復にぴったりなスイカ。

塩を振って食べると、スポーツドリンクと同じような効果とも言われています。

年々ひどくなっている猛暑の熱中症対策にもスイカは活躍してくれます。

ここでは、スイカに含まれている成分を見ていきましょう。


●水分

英語で「ウォーターメロン」というように、スイカは、成分の約90%近くが水分で、のどの渇きをうるおしてくれます。

原産地のアフリカの砂漠地帯では、今でも貴重な水がわりの食べ物となっているくらいです。

スイカ100グラム中、89.6グラムが水分です。


●カリウム

細胞内液の浸透圧を調整し、一定に保つ働きをします。

ナトリウムをからだの外に排出しやすくする働きがあり、塩分摂取過剰を調節する役割もしています。

カリウムが不足すると、脱力感や不整脈などからだの不調がみられることがあります。

スイカ100グラム中、120ミリグラムのカリウムを摂ることができます。


●果糖、ブドウ糖

ブドウ糖は脳が唯一エネルギーとして利用できる物質で、人のからだにとって重要な栄養素です。

果糖は脂肪をエネルギーに変える作用があります。

ただし、果糖もブドウ糖も、摂取しすぎることなく適切な量を心がけましょう。


●アミノ酸「シトルリン」

スイカの学名は「Citrullus vulgaris」といいます。

この学名からつけられたシトルリンは、スイカを筆頭に、ウリ科の植物に多く含まれている栄養です。

シトルリンはスーパーアミノ酸とも呼ばれ、動脈硬化の緩和や疲労回復、冷え性の改善、むくみ予防、アンチエイジング、記憶集中力アップなど、様々な働きが注目されています。シトルリンは特にスイカの皮近くの白い部分に多く含まれていると言われていますので、ジュースにしたり、皮をお漬物にして食べたり、余すことなく活用できると良いですね。


●スイカの種

スイカの皮だけでなく、捨ててしまってはもったいないのがスイカの種です。

実は様々な栄養が含まれています。

タンパク質、不飽和脂肪酸、ビタミン、カルシウム、マグネシウム、カリウム、鉄分などが含まれており、海外では、かぼちゃの種のように、フライパンで炒って塩を振って食べられているそうです。


●食べすぎにはご注意

夏野菜全般に言えますが、夏が旬のスイカは身体を冷やす効果があります。

また、スイカは腎臓の力が弱っている人にはあまりよくないと言われています。

腎臓の力が落ちていると、カリウムが尿に排出されにくくなり体に貯まってしまい、心臓へ悪影響を及ぼすことがあります。




スイカの日持ち期間と保存方法


スイカは追熟がありませんので、収穫されたらなるべく早めに召し上がることをおすすめします。

丸のまま購入した場合は、陽の当たらない、涼しい場所で保管するようにしましょう。


カットしたものはラップに包み、野菜室で保存してください。

スイカの保存の適温は8℃~10℃です。

冷やしすぎると食感が悪くなることがありますのでご注意ください。


食べる前には冷蔵庫で2~3時間冷やしていただくと、果糖の甘味が増しておいしく召し上がることができます。




スイカの選び方


大きくまあるいスイカ。

店頭で買った重たいスイカを苦労して持ち帰って、切って食べてみたらがっかり、となってしまっては残念ですよね。

スーパーマーケットなどの店頭に並んでいるスイカの中でも特においしいスイカを選ぶには、どのようなところに注目したらよいでしょうか。


まず、スイカを持ち上げてみましょう。

スイカを持った時に、見た目よりもずっしりと重たいスイカを選びましょう。

形がいびつでなく整っていて、ついているヘタが新鮮なものが良いでしょう。


また、縞模様のあるスイカは、その色形がはっきりしているものを選びましょう。


あらかじめ6分の1などにカットして売られているスイカは、切り口をよく見てください。

種のまわりなどがスカスカしていないもの、切り口がくっきりとしているものを選ぶと良いでしょう。




スイカの切り方


スイカには種が取りやすい切り方があります。


まず、縞の方向と直角に半分に切ります。

また、頭とおしりの両側を少しずつ切ります。


次に、大きい切り口を上にして置き、中心から放射線状に並んでいる種に沿って、ホールケーキをショートケーキにカットするように三角形に切っていきます。

そうすると、ほとんどの種がカットしたスイカの外側に出るので、食べるときに種を簡単に外すことができます。


最近ではスーパーマーケットなどの店頭ではカットフルーツがたくさん売られています。

スイカの大きいカット、丸ごとひと玉買って食べるのは難しいと思われる時には、ぜひこのようなカットのパックを購入して手軽に楽しんでみてはいかがでしょうか。


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